throne and libertyは不評が多い?実際の評価は?

Throne and Liberty(以下、スローン・アンド・リバティ、またはスロリバ)は、韓国の大手ゲーム開発会社NCSOFTが開発し、Amazon Gamesがパブリッシャーとして2024年10月2日にグローバルリリースした基本プレイ無料のMMORPGです。

このゲームは、Unreal Engine 4を活用した美麗なグラフィック、広大なオープンワールド、そして大規模なPvPやPvEコンテンツを特徴としており、リネージュシリーズの系譜を引き継ぐ作品として注目を集めました。

しかし、リリース以降、プレイヤーやメディアの間では賛否両論が巻き起こり、特に「不評」の声が目立つこともあります。

この記事では、スロリバがなぜ不評とされるのか、その背景や具体的な問題点、そして肯定的な意見も交えながら、徹底的に掘り下げます。
スロリバの現状を理解し、プレイを検討している方にとって有益な情報を提供することを目指します。

 

 

スローン・アンド・リバティの期待と現実

スロリバは、2011年に「リネージュエターナル」として発表されて以来、約13年にわたる長い開発期間を経てリリースされました。
プロジェクト名が「Project TL」を経て現在のタイトルに変更されるなど、開発は難航を極めたことが伺えます。
この長い開発期間は、プレイヤーの期待を高める一方で、リリース時の完成度に対するハードルを上げることにも繋がりました。
NCSOFTは、リネージュやAIONといった過去の成功作で培ったMMORPGのノウハウを活かし、現代の技術とクラシックなMMOの魅力を融合させることを目指していました。
しかし、実際にリリースされたゲームは、期待を完全に満たせなかった部分も多く、プレイヤーの失望を招く結果となりました。

 

期待されたポイント

     

  • 美麗なグラフィックとオープンワールド:Unreal Engine 4による広大なソリシウムの世界は、視覚的に圧倒的で、探索の自由度が高いと宣伝で期待されました。
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  • 大規模PvPとGvG:リネージュシリーズの伝統であるギルド間の大規模戦闘や攻城戦は、コミュニティを盛り上げる要素として注目されました。
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  • 課金要素の軽減:過去のNCSOFT作品で批判された「Pay to Win(課金で強くなる)」の要素を抑え、フェアなゲーム体験を提供する方針が打ち出されました。
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  • 変身システム:動物や生物に変身して移動や戦闘を楽しむユニークなシステムは、他作品との差別化ポイントとして期待されました。

 

現実とのギャップ

これらの期待に対し、実際のゲーム体験は以下のような問題点が浮き彫りになりました。
これが不評の主な原因と考えられます。

     

  • ストーリーの平凡さ:キャラクターや設定が平面的で、記憶に残るストーリーが欠如しているとの声が多数あります。
    特に、海外メディアでは「2000年代初頭のMMORPG設計」と批判されることもありました。
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  • ローカライズの問題:グローバルリリースに伴う翻訳や文化的な適応が不十分で、特に英語圏や日本でのプレイヤー体験が損なわれたケースが報告されています。
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  • 課金モデルの懸念:公式には「Pay to Win」を抑える方針でしたが、ゲーム内通貨「ルーセント」や取引所システムが、課金による優位性を生む可能性があると指摘されています。
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  • グリッチやバグ:攻城戦での不正侵入を可能にするグリッチや、異常なHP回復バグなどが発覚し、公式の対応も「ユーザー側で対策を」とするなど不十分でした。

 

不評の具体的なポイント

スロリバに対する不評の声は、複数の側面にわたります。
以下では、プレイヤーやメディアが特に問題視している点を詳しく分析します。

 

ストーリーと世界観の物足りなさ

スロリバの舞台であるソリシウムは、視覚的には美しいものの、ストーリーやキャラクターの深みが不足しているとの批判が目立ちます。
プレイヤーは、カザール率いるアーキウム軍団とレジスタンスの戦いを軸に冒険を進めますが、登場人物の動機や背景が薄く、感情移入が難しいと感じる声が多いです。
ある海外メディアは、「ストーリーは退屈で、記憶に残るキャラクターがいない」と厳しく評価しました。
また、クエスト設計も「モンスターを倒してアイテムを集める」といった単調なものが多く、現代のMMORPGに期待される物語性や多様性が欠けているとされています。
この点は、特にソロプレイヤーにとってゲームの魅力を下げる要因となっています。

 

戦闘システムの平凡さ

スロリバの戦闘システムは、ターゲット方式を採用し、スキルやビルドの自由度が高い点が特徴です。
しかし、戦闘のテンポや操作感が平凡で、アクション性を求めるプレイヤーには物足りないとの意見があります。
特に、回避やパリィといったアクション要素は存在するものの、洗練度が低く、単調な戦闘に終始する場面が多いです。
あるレビューでは、「グラフィックは素晴らしいが、戦闘システムは平凡」と評され、競合他社作品(例:ファイナルファンタジーXIVやギルドウォーズ2)に比べて見劣りすると指摘されました。
この戦闘の単調さは、PvEコンテンツの魅力低下にも繋がっています。

 

課金モデルとPay to Winの懸念

NCSOFTの過去作品は、課金要素がゲームバランスを崩す「Pay to Win」として批判されてきました。
スロリバでは、公式がこの問題を軽減する方針を掲げ、ゲーム内通貨「ルーセント」が無料プレイでも入手可能であることを強調しました。
しかし、取引所システムを通じて課金通貨で強力なアイテムを購入できる仕組みが、間接的なPay to Winと見なされています。
特に、PvPやGvGが中心のゲームであるため、課金による装備差が競争の公平性を損なう可能性が懸念されています。
プレイヤーからは、「課金パスや便利機能の追加料金が気になる」「無料でも遊べるが、時間をかける必要がある」といった声が上がっており、課金モデルの透明性やバランスに対する不満が不評の一因となっています。

 

グリッチと技術的問題

リリース直後から、攻城戦でのグリッチやバグが多数報告されました。
例えば、2024年11月の攻城戦では、意図しないタイミングで中庭に侵入できる戦術が発覚し、公式の対応が「グリッチを公開し、ユーザーに対策を求める」という異例のものでした。
この対応は、多くのプレイヤーから「開発側の責任放棄」と批判され、信頼低下に繋がりました。
また、HPを異常回復するバグなども存在し、PvPの競技性が損なわれる場面が多発しています。
これらの技術的問題は、特にGvGやPvPを重視するプレイヤーにとって大きな不満点となり、ゲームの完成度に対する疑問を投げかけています。

 

ソロプレイヤーへの配慮不足

スロリバは、ギルドやグループでのプレイを前提とした設計が強く、ソロプレイヤーにとっては厳しい環境であるとの声が目立ちます。
ダンジョンやレイド、PvPコンテンツの多くは複数人での協力が必須であり、ソロでの進行が難しい場合があります。
あるプレイヤーは、「ソロで楽しむには限界がある。
グループ向けに作られているのは特徴だが、ソロプレイヤーには不親切」とコメントしています。
この点は、MMORPGの黎明期を彷彿とさせる設計ではあるものの、現代の多様なプレイスタイルに対応しきれていないと評価されています。

 

肯定的な評価とスロリバの魅力

不評の声が目立つ一方で、スロリバには多くの肯定的な評価も存在します。
ここでは、ゲームの魅力や支持されているポイントを紹介します。

 

美麗なグラフィックと広大な世界

スロリバの最大の魅力の一つは、Unreal Engine 4による美麗なグラフィックと広大なオープンワールドです。
ソリシウムの世界は、山脈、草原、海洋など多様な環境がシームレスに繋がっており、探索の自由度が高いと評価されています。
動物や生物に変身して陸・海・空を移動するシステムは、移動のストレスを軽減し、探索を楽しくする要素として好評です。
あるプレイヤーは、「映像が綺麗で音楽も壮大。
オープンワールドを歩くだけで楽しい」とコメントしており、視覚的な没入感はスロリバの強みと言えるでしょう。

 

ビルドの自由度とカスタマイズ性

スロリバのキャラクター育成は、スキルや能力値の振り分けが柔軟で、特定の「正解ビルド」に縛られずにプレイヤーの好みに合わせた成長が可能です。
この自由度は、戦闘スタイルや役割を自分らしくカスタマイズしたいプレイヤーに高く評価されています。
例えば、近接戦闘に特化したり、魔法攻撃を重視したりと、多様なプレイスタイルが実現可能です。
レビューでは、「ビルドの自由度が高く、個性を出しやすい」との声があり、MMORPGの醍醐味であるキャラクター育成の楽しさを味わえる点が支持されています。

 

大規模PvPとコミュニティの活性化

スロリバの中心的なコンテンツである大規模PvPやGvG(ギルド対ギルド)は、コミュニティを盛り上げる要素として肯定的に評価されています。
攻城戦やレイドでは、数十人から数百人規模のプレイヤーが協力し、戦略を駆使して戦う光景は、他作品では味わえないダイナミズムがあります。
あるプレイヤーは、「ギルドでPvPに参加する感覚は、昔のMMOを彷彿とさせる。
仲間と協力する楽しさが大きい」とコメントしています。
この点は、特にリネージュやAIONといったクラシックMMOのファンにとって、スロリバの大きな魅力となっています。

 

クロスプラットフォームとアクセシビリティ

スロリバは、PC(Steam)、PlayStation 5、Xbox Series X|Sに対応し、クロスプラットフォームでのプレイが可能です。
これにより、異なるデバイスを使用する友人同士でも一緒に冒険を楽しめます。
また、基本プレイ無料であるため、初期投資なしで始められる点も初心者にとって魅力的です。
アーリーアクセスの立ち上げがスムーズだったこともあり、技術的なアクセシビリティは高く評価されています。

 

不評に対する開発側の対応と今後の展望

スロリバの不評に対し、NCSOFTとAmazon Gamesは迅速なアップデートやフィードバック対応を行っています。
例えば、韓国サービス開始後のフィードバックを受け、グローバルリリースでは一部の課金要素やゲームバランスが調整されました。
また、バグやグリッチに対するパッチも定期的に配信されており、開発側の改善意欲は感じられます。
あるYouTuberは、「システムの細部が洗練されており、ロード時間の短さや演出のスムーズさが印象的。
フィードバックへの対応も速い」と評価しています。

 

しかし、ストーリーや戦闘システムの抜本的な改善には時間がかかると見られ、プレイヤーの長期的な維持が課題です。
MMORPGはライブサービスゲームであるため、今後のコンテンツ追加やアップデート次第で評価が大きく変わる可能性があります。
特に、新エリア「トランドール」の実装やレベルキャップの開放など、2024年末から2025年にかけて予定されているアップデートが注目されています。
これらがプレイヤーの不満を解消し、新たな魅力を提供できるかが、スロリバの未来を左右するでしょう。

 

スロリバは誰に向いているのか

スロリバの評価は賛否両論ですが、プレイヤーの好みやプレイスタイルによって向き不向きが分かれます。
以下に、どんな人にオススメかをまとめます。

 

向いている人

     

  • クラシックMMOのファ:リネージュやAION、World of Warcraftのような昔ながらのMMOが好きな人には、ギルド中心のプレイや大規模PvPが刺さる可能性が高いです。
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  • 大規模PvP/GvG愛好者:攻城戦やレイドを楽しみたい人、特に仲間と協力して戦略を立てるのが好きな人には魅力的です。
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  • 探索とカスタマイズを楽しむ人:オープンワールドの美しさやビルドの自由度を重視するプレイヤーには、探索や育成の楽しさが感じられるでしょう。

 

向いていない人

     

  • ソロプレイヤー:グループ前提のコンテンツが多いため、ソロで気軽に遊びたい人には厳しい環境です。
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  • ストーリー重視のプレイヤー:深い物語や魅力的なキャラクターを求める人には、現在のストーリー設計が物足りなく感じられる可能性があります。
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  • アクション性の高い戦闘を求める人:戦闘システムが平凡なため、ダイナミックなアクションを期待するプレイヤーには不満が残るかもしれません。

 

結論:不評は本当か、価値はあるのか

Throne and Libertyは、確かに不評の声が多く、特にストーリーの平凡さ、戦闘の単調さ、課金モデルの懸念、技術的問題などが批判の中心となっています。
これらの問題は、13年にわたる開発期間やNCSOFTの過去の評判に対する高い期待が裏目に出た結果と言えるでしょう。
特に、ソロプレイヤーや現代的なMMORPGの要素(深いストーリーやアクション性の高い戦闘)を求めるプレイヤーにとっては、物足りなさが目立つかもしれません。

 

しかし、スロリバには美麗なグラフィック、広大なオープンワールド、ビルドの自由度、大規模PvPといった明確な魅力もあります。
クラシックMMOの雰囲気やギルドでの協力プレイを愛するプレイヤーにとっては、十分に楽しめる作品です。
Steamではリリース直後に同時接続者数が30万人を突破し、レビュー数は1万件以上で58%が好評(2024年10月時点)と、一定の支持を集めていることも事実です。
開発側の迅速なフィードバック対応や今後のアップデート次第では、不評を覆す可能性も秘めています。

 

最終的に、スロリバが「不評」かどうかは、プレイヤーの期待や好みに大きく左右されます。
無料で始められるため、気になる人はまず自分でプレイしてみて、ソリシウムの世界を体験することをお勧めします。
あなたにとって、スロリバは不評の対象か、それとも新たな冒険の舞台となるのか――その答えは、実際にプレイして見つけてみてください。

 

この記事が、スローン・アンド・リバティの現状を理解し、プレイの判断材料となることを願っています。
あなたの冒険が、ソリシウムで輝くことを!