ゼンレスゾーンゼロは本当につまらないのか?徹底レビュー

『ゼンレスゾーンゼロ』(以下、ゼンゼロ)は、HoYoverseが2024年7月4日にリリースしたアクションRPGだ。
『原神』や『崩壊:スターレイル』といった大ヒット作で知られる同社だけに、事前登録者数は4000万人を突破し、リリース直後から全世界で5000万ダウンロードを記録するなど、期待値は非常に高かった。

 

しかし、プレイヤーの間では「面白い」という声と同時に「つまらない」という意見も散見される。
本記事では、ゼンゼロが「つまらない」と言われる理由を掘り下げつつ、魅力や改善の余地についても公平に分析する。
プレイ時間100時間以上の筆者の視点から、ゲームの全貌を解き明かしていく。

 

 

ゼンゼロの概要:どんなゲームなのか

 

ゼンゼロは、近未来の都市「新エリー都」を舞台にした都市ファンタジーアクションRPGだ。
謎の災害「ホロウ」によって文明が崩壊した世界で、プレイヤーは「プロキシ」としてホロウ内部を探索し、危険な怪物「エーテリアス」と戦う。
ゲームは以下の3つのパートで構成されている:

     

  • 日常パート:新エリー都の六分街で住民と交流し、ビデオ屋を経営しながらストーリーを進める。
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  • 探索パート:テレビ画面のような盤面を使った「ホロウ探索」で、ローグライク要素を取り入れたダンジョン攻略を行う。
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  • 戦闘パート:最大3人のキャラを切り替えながら、スタイリッシュなアクションで敵を倒す。

 

HoYoverseらしい高品質なグラフィック、豪華声優陣によるフルボイス、コミカルで親しみやすいストーリーが特徴だ。
しかし、これらの要素が全てのプレイヤーに受け入れられているわけではない。
以下、「つまらない」と言われる理由を具体的に検証する。

 

「つまらない」と言われる理由を徹底分析

 

1. 戦闘の単調さと難易度の低さ

 

ゼンゼロの戦闘システムは、通常攻撃、特殊スキル、回避、パリィ、連携攻撃を組み合わせたスタイリッシュなアクションが売りとされている。
しかし、一部のプレイヤーからは「単調」「簡単すぎる」との声が上がる。
特に序盤は敵の攻撃パターンが少なく、ボタンを連打するだけでクリア可能な場面が多い。
これにより、アクションゲームとしての奥深さを求めるプレイヤーには物足りなく感じられる。

 

例えば、あるプレイヤーは「アクションを期待してプレイしたが、サンドバッグを殴っているような感覚」と評した。
実際、ストーリー第2幕(約12時間プレイ後)から敵の攻撃が複雑になり、パリィや回避のタイミングが重要になるが、そこに至るまでのチュートリアルが長すぎるという指摘もある。
この「面白くなるまでの道のりが長い」点は、ライトユーザーには許容範囲でも、ゲーマー層にはフラストレーションの原因となっている。

 

2. ホロウ探索のテンポの悪さ

 

ゼンゼロの探索パートである「ホロウ探索」は、テレビ画面のようなマス目を移動するユニークなシステムだ。
パズルやランダムイベントをこなしつつ進むローグライク要素は、初見では新鮮だが、繰り返しプレイするうちに「テンポが悪い」と感じるプレイヤーも多い。
戦闘を楽しみたいのに、探索パートが長く挟まることでゲームの流れが分断されるという意見が目立つ。

 

特に、ストーリーやサブクエストのホロウ探索は一度クリアすれば再プレイの必要がないものの、素材集めやデイリーコンテンツでは繰り返し同じような盤面を進むことになる。
これが「作業感」を生み、飽きを加速させる要因となっている。
一方で、「零号ホロウ」などエンドコンテンツでは戦略性が求められ、中毒性があると評価する声もあるが、こうしたコンテンツにたどり着く前に離脱するプレイヤーも少なくない。

 

3. ストーリーの軽さとキャラクターへの感情移入の難しさ

 

ゼンゼロのストーリーは、HoYoverseの他作品に比べるとコミカルで軽快だ。
専門用語も控えめで、初心者でも理解しやすい設計になっている。
しかし、『原神』の壮大な世界観や『崩壊:スターレイル』の重厚な物語に慣れたプレイヤーからは、「ストーリーが薄い」「キャラクターに感情移入しにくい」との批判がある。

 

主人公の兄妹(アキラとリン)はビデオ屋の店員として日常を過ごしつつ、裏ではプロキシとして活躍するが、戦闘には直接参加しない。
この設定は、プレイヤーが操作するキャラとストーリーの主軸が分離しているため、没入感が薄れる一因となっている。
また、キャラ同士の関係性が「チーム」単位で描かれるため、個々のキャラの掘り下げが不足していると感じるプレイヤーもいる。
たとえば、Ver.1.4で登場した星見雅のストーリーは感動的と話題になったが、こうしたハイライトにたどり着くまでが長い点が課題だ。

 

4. ガチャシステムの複雑さと課金のハードル

 

ゼンゼロは基本無料のガチャゲームであり、キャラや装備(ディスク)をガチャで入手する。
ガチャの排出確率や天井システムは『原神』や『崩壊:スターレイル』と同等で、比較的良心的とされるが、システムの複雑さが初心者を遠ざけている。
たとえば、キャラの役割(アタッカー、サポーター、異常付与など)や属性、陣営を考慮したパーティ編成が必要で、初心者にはハードルが高い。

 

また、ガチャ以外でのキャラ入手手段が限られており、無課金プレイヤーは欲しいキャラを入手するのに時間がかかる。
さらに、ディスク(装備)の厳選や育成には膨大なリソースが必要で、エンドコンテンツに挑むには課金が推奨される場面も多い。
「課金しないと楽しめない」という印象が、ライト層の離脱を招いている可能性がある。

 

5. 原神やスターレイルとの比較による期待値のズレ

 

HoYoverseの過去作である『原神』や『崩壊:スターレイル』は、それぞれオープンワールドやターン制RPGとして独自の地位を築いた。
一方、ゼンゼロはコンパクトなステージクリア型で、探索の自由度が低い。
この「規模の小ささ」が、過去作のファンから「物足りない」と感じられる要因となっている。

 

たとえば、『原神』の広大なフィールドを自由に冒険する体験に慣れたプレイヤーにとって、ゼンゼロの六分街やホロウ探索は「狭い」と映る。
また、『崩壊:スターレイル』の戦略的な戦闘に比べ、ゼンゼロのアクションは「簡単すぎる」と評価されることもある。
こうした比較は、ゼンゼロ自体のクオリティとは別に、プレイヤーの期待値とのギャップを生んでいる。

 

ゼンゼロの魅力:なぜハマるプレイヤーもいるのか

 

「つまらない」という声がある一方で、ゼンゼロに熱中するプレイヤーも多い。
以下に、ゲームの強みとハマる理由を挙げる。

 

1. スタイリッシュなアクションと爽快感

 

ゼンゼロの戦闘は、シンプルな操作でコンボや連携攻撃を繰り出せる点が魅力だ。
キャラごとのモーションは滑らかで、回避やパリィの成功時に発生するスローモーション演出は「上手く操作できている感」を与える。
特に、Ver.1.4以降のボス戦では、パリィや回避のタイミングがシビアになり、アクションゲームとしての満足度が向上している。

 

たとえば、星見雅やビビアンといった新キャラは、独自のスキルや状態異常を活用した戦術が求められ、単調さを解消している。
アクション初心者でも楽しめる設計でありながら、上級者向けの挑戦も用意されている点は、HoYoverseのバランス感覚の賜物だ。

 

2. 独特な世界観とビジュアル

 

ゼンゼロの世界観は、2000年代のノスタルジーと近未来を融合させたユニークなものだ。
六分街のレトロなビデオ屋やラーメン屋、ストリートカルチャーを思わせるグラフィティなど、細部まで作り込まれたアートディレクションは高い評価を受けている。
キャラクターデザインも個性的で、エレン・ジョーの「モエチャッカファイア」など、キャラごとのテーマソングが話題になるほどだ。

 

また、ストーリーやムービーにはアメコミ風の演出が採用され、フルボイスのコミックパートは「まるで漫画を読んでいるよう」と称賛される。
この視覚的な魅力は、ゲームの没入感を大きく高めている。

 

3. コンパクトなプレイ時間

 

『原神』の広大な探索や『崩壊:スターレイル』の長編ストーリーに比べ、ゼンゼロは1回のプレイ時間が短い。
デイリー任務は10~15分で終わり、ストーリーやサブクエストもコンパクトにまとまっている。
この「濃縮設計」は、忙しいプレイヤーにとって続けやすい要因だ。
あるライターは「移動のストレスが徹底的に排除されている」と評し、ソシャゲ特有の「おつかい感」を軽減している点を高く評価している。

 

4. キャラカスタマイズの奥深さ

 

ゼンゼロのキャラ編成は、属性(火、氷、エーテルなど)や陣営、役割を考慮する必要があり、戦略性が求められる。
たとえば、ビビアンは控えから状態異常を付与するサブアタッカーとして、異常編成で活躍する。
このように、キャラやディスクの組み合わせを工夫することで、同じステージでも異なる戦い方が楽しめる。
パーティ編成を考えるのが好きなプレイヤーにとっては、無限のチームパターンを試せる点が中毒性につながっている。

 

5. 継続的なアップデートとコミュニティの盛り上がり

 

HoYoverseはリリース後も定期的にアップデートを行い、新キャラやストーリー、エンドコンテンツを追加している。
Ver.1.4の「星見雅」ストーリーやVer.1.6の「0号・アンビー」実装は、プレイヤーのモチベーションを高めた。
また、ファミリーマートとのコラボやフィギュア化など、メディア展開も積極的だ。
X上では、キャラ愛を語るファンや攻略情報を共有するコミュニティが活発で、ゲームの熱量を維持している。

 

「つまらない」を乗り越えるための提案

 

ゼンゼロが「つまらない」と感じられる場合、以下のアプローチで楽しめる可能性がある。

 

     

  1. ストーリー第2幕まで進める:戦闘の難易度が上がり、アクションの醍醐味が味わえる。
    約12時間のプレイが必要だが、ここを乗り越えると評価が「クソゲーから神ゲー」に変わるプレイヤーも多い。
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  3. 零号ホロウに挑戦:エンドコンテンツの零号ホロウは戦略性が高く、繰り返しプレイの中毒性が強い。
    素材集めやキャラ育成のモチベーションにもつながる。
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  5. キャラ編成を試行錯誤:属性や役割を意識したパーティ編成を組むと、戦闘の奥深さが実感できる。
    初心者はガイドを参考にすると良い。
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  7. ストーリーやムービーを楽しむ:戦闘や探索に飽きた場合、コミカルなストーリーやアメコミ風ムービーに注目すると、新たな魅力が見つかる。
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  9. 課金を検討:無課金でも楽しめるが、少額課 Says:「ウェルカムエリー」ギフトボックス(610円)はコスパ抜群で、毎日ログインすることでモノクローム300個とポリクローム2700個が入手可能。
    効率的に進めたいプレイヤーにはおすすめだ。

 

ゼンゼロはどんな人にオススメか

 

ゼンゼロは以下のようなプレイヤーに適している:

     

  • スタイリッシュなアクションゲームを手軽に楽しみたい人
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  • 近未来都市やレトロな世界観が好きな人
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  • キャラカスタマイズやパーティ編成を楽しみたい人
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  • 短時間でサクッとプレイしたい人
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  • HoYoverseのビジュアルやストーリー演出を愛好する人

 

一方、以下のようなプレイヤーは「つまらない」と感じる可能性がある:

     

  • 高難度なアクションゲームを求める人
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  • オープンワールドや自由度の高い探索を重視する人
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  • 重厚なストーリーや深いキャラ掘り下げを期待する人
  •  

  • ガチャや課金に抵抗感が強い人

 

結論:ゼンゼロは「つまらない」のか?

 

ゼンレスゾーンゼロが「つまらない」かどうかは、プレイヤーの期待値や好みに大きく左右される。
HoYoverseの過去作のような壮大さや自由度を求める人には物足りなく感じられるかもしれないが、スタイリッシュなアクション、独特な世界観、コンパクトなプレイ体験を重視する人には十分魅力的な作品だ。
序盤の単調さやテンポの悪さは課題だが、アップデートによる改善やエンドコンテンツの充実により、長期的なヒットが期待される。

 

筆者としては、ゼンゼロは「神ゲー」と呼ぶにはあと一歩だが、「クソゲー」と切り捨てるには勿体ないクオリティを持つゲームだと考える。
少なくとも、無料で遊べるので、気になったら試しにプレイしてみる価値はある。
あなたが新エリー都でどんな冒険を見つけられるか、ぜひ体験してほしい。

 

最後に:ゼンゼロの未来に期待

 

HoYoverseは『原神』や『崩壊:スターレイル』で、リリース後のアップデートで劇的にゲームを進化させてきた実績がある。
ゼンゼロも同様に、プレイヤーのフィードバックを反映し、戦闘の奥深さやストーリーの厚みを増していく可能性が高い。
Xでの議論やコミュニティの熱量を見る限り、ゼンゼロはまだそのポテンシャルを全て発揮していない。
今後のアップデートで、「つまらない」という声を「面白い」に変える日が来ることを願いつつ、筆者は引き続き新エリー都での冒険を楽しんでいきたい。