「真・三國無双」シリーズは、コーエーテクモゲームスが誇るアクションゲームの金字塔です。
中国の三国志を舞台に、一騎当千の爽快感で大量の敵をなぎ倒すゲーム性は、多くのゲーマーを魅了してきました。
Nintendo Switch向けにリリースされた「真・三國無双7 with 猛将伝 DX」や「真・三國無双8 Empires」は、携帯モードと据え置きモードの両方で楽しめるSwitchの特性を活かし、シリーズの新たな可能性を広げるはずでした。
しかし、ネット上では「三國無双Switch版はひどい」という声が散見されます。
なぜこのような評価が生まれたのか? 本記事では、Switch版三國無双の問題点を徹底的に掘り下げ、シリーズの魅力と課題を分析します。
Nintendo Switchでプレイ可能な三國無双シリーズは、主に以下の2タイトルです:
これらのタイトルは、Switchの携帯性やローカル協力プレイの「おすそわけプレイ」に対応し、幅広いプレイヤーにアピールする設計でした。
しかし、実際のプレイヤー評価は厳しく、特にパフォーマンスやゲーム性の面で不満が噴出しています。
Switch版三國無双の最大の批判点は、フレームレートの不安定さです。
三國無双シリーズは、画面上に大量の敵を表示する「ワラワラ感」が魅力ですが、これを実現するには高い処理能力が必要です。
SwitchはPS4やPCに比べるとハードウェア性能が劣るため、敵の数やエフェクトが増える場面でフレームレートが低下し、ガクガクとした動きになることが頻発します。
特に「真・三國無双7 with 猛将伝 DX」では、PS4版と比較してフレームレートが安定せず、30fpsを下回る場面も報告されています。
グラフィック面でも、Switch版は他のプラットフォームに比べて見劣りします。
解像度の低下やテクスチャの粗さ、遠景のポップイン(オブジェクトが急に表示される現象)が目立ち、PS2時代を彷彿とさせるようなビジュアルに感じるユーザーもいます。
「真・三國無双8 Empires」のレビューでは、「Switch Liteでプレイするとグラフィックが残念すぎる」との声が上がり、携帯モードでのプレイ体験が大きく損なわれていることがわかります。
ロード時間も問題の一つです。
「真・三國無双8 Empires」では、頻繁に挿入されるロード画面がゲームのテンポを損ない、ストレスを誘発します。
PS4版でもロード時間は指摘されていましたが、Switch版ではさらに顕著で、戦闘の合間に待たされる時間がプレイヤーの没入感を削いでいます。
三國無双の最大の魅力は、大量の敵を一掃する一騎当千の爽快感です。
しかし、Switch版では敵の表示数が制限されるため、この「ワラワラ感」が十分に再現できていません。
レビューでは、「戦闘で敵があまり出てこない」「爽快感が感じられない」との意見が目立ち、シリーズの根幹を揺るがす問題となっています。
たとえば、「真・三國無双7 with 猛将伝 DX」では、PS4版に比べて敵の数が減少し、戦場がスカスカに感じる場面が多いと指摘されています。
SwitchのJoy-Conを使った操作性も、一部のプレイヤーにとって不満の種です。
ボタンの配置やスティックの感度が、PS4のDualShockコントローラーに比べて直感的でないと感じるユーザーもいます。
特に、複雑なコンボを繰り出す際に、Joy-Conの小ささが操作ミスを誘発することがあります。
Proコントローラーを使えば改善しますが、標準装備のJoy-Conでのプレイ体験が最適化されていない点は、Switch版の設計ミスと言えるでしょう。
「真・三國無双7 with 猛将伝 DX」にはオンライン協力プレイが搭載されておらず、シリーズファンにとって大きな失望でした。
Switchの強みであるオンラインマルチプレイを活かせていない点は、現代のアクションゲームとしては致命的です。
一方で、「真・三國無双8 Empires」はオンラインプレイに対応していますが、接続の不安定さやマッチングの遅さが報告されており、期待に応えられていません。
「真・三國無双8 Empires」では、バグの多さが大きな問題として挙げられています。
Amazonのレビューでは、「音が出ない」「指定した地域でない場所からスタートする」「仲間にしたキャラクターが表示されない」といった不具合が報告されています。
これらのバグは、ゲームの進行を妨げるだけでなく、プレイヤーの信頼を大きく損ないます。
シリーズ20周年記念作品として期待されただけに、このような基本的な品質管理の甘さは許容しがたいものです。
Switch版の開発では、ハードウェアの限界を考慮した最適化が不十分だったことが伺えます。
たとえば、PS4版やPC版ではスムーズに動作するシーンが、Switch版では処理落ちを起こすケースが多々あります。
コーエーテクモは、Switchの性能に合わせた調整を行うべきでしたが、既存資産の移植に頼りすぎた結果、プレイヤー体験が犠牲になったと言えるでしょう。
「真・三國無双7 with 猛将伝 DX」は、追加DLCを多数収録した完全版としてリリースされましたが、一部のDLCは特定の条件を満たさないと使用できない仕様になっています。
たとえば、武器の使用には28ステージのクリアが必要で、すぐに全コンテンツを楽しめない点が不評です。
プレイヤーは完全版を購入したのに制限があることに苛立ちを覚え、「中途半端な完全版」との批判が上がっています。
「真・三國無双8 Empires」では、エディット機能やシナリオの少なさが指摘されています。
シリーズの強みであるオリジナル武将の作成は健在ですが、エディットパーツの少なさやモーションの不自然さが目立ち、イベントシーンでの違和感がプレイヤーを冷めさせます。
また、シナリオのバリエーションが少なく、繰り返しプレイのモチベーションが維持しにくいとの声もあります。
ここまで問題点を挙げてきましたが、三國無双シリーズ自体の魅力が失われたわけではありません。
以下に、シリーズの強みとSwitch版が本来持つべき可能性を整理します。
これらの魅力を最大限に引き出すためには、Switchのハードウェアに最適化した開発が不可欠でした。
たとえば、敵の数を減らしつつ戦場の密度を保つ工夫や、グラフィックを簡略化しつつ視覚的な迫力を維持する手法が求められたのです。
PS4版「真・三國無双7 with 猛将伝」や「真・三國無双8 Empires」は、Switch版に比べて安定したフレームレートと高品質なグラフィックを提供します。
特に、PS4版はクロスプラットフォームのオンラインプレイに対応しており、Switch版のオンライン機能の欠如が際立ちます。
レビューでは、PS4版の方が「ワラワラ感」や爽快感がしっかり再現されているとの意見が多数です。
PC版(Steam)は、ハイエンド環境なら最高のグラフィックとパフォーマンスを発揮します。
「真・三國無双7 with 猛将伝」は、Switch版と比べてロード時間が短く、敵の表示数も多いため、シリーズ本来の魅力を存分に味わえます。
ただし、PC版はSwitchの携帯性を欠くため、プレイ環境に応じた選択が必要です。
Amazonや楽天市場のレビュー、SNSでの意見をまとめると、以下のような不満が目立ちます:
一方で、肯定的な意見も存在します。
「おすそわけプレイで友達と楽しめた」「三国志の世界観は健在で、ストーリーは面白い」といった声もあり、すべてのプレイヤーが「ひどい」と感じているわけではありません。
それでも、否定的な評価が目立つのは、シリーズの期待値が高かったゆえの失望が大きいと考えられます。
Switch版の品質を向上させるには、以下の技術的改善が必要です:
ゲーム性面では、以下の点が求められます:
2025年に発売予定の「Nintendo Switch 2(仮称)」では、性能向上が期待されます。
この次世代機なら、PS4並みのパフォーマンスで三國無双を動かせる可能性があり、Switch版の問題点が解消されるかもしれません。
コーエーテクモが次世代機向けに新たな三國無双タイトルを開発するなら、ファンからの信頼を取り戻すチャンスとなるでしょう。
「三國無双 Switch ひどい」という評価は、フレームレートの不安定さ、グラフィックの粗さ、バグの多さ、爽快感の欠如といった問題点に起因しています。
これらは、Switchのハードウェア性能の限界と、開発段階での最適化不足が重なった結果です。
しかし、シリーズの根幹である一騎当千のアクションや三国志の世界観は依然として魅力的であり、すべてのプレイヤーが否定的なわけではありません。
Switch版をプレイするなら、「真・三國無双7 with 猛将伝 DX」はストーリーと武将の豊富さで初心者にもおすすめですが、パフォーマンスに妥協が必要です。
「真・三國無双8 Empires」は攻城戦や政略が好きな人向けですが、バグに注意が必要です。
もし可能なら、PS4やPC版を選ぶことで、より快適なプレイ体験が得られるでしょう。
最終的に、Switch版三國無双は「ひどい」と一蹴するには惜しい魅力を持っています。
コーエーテクモが今後のアップデートや新作でこれらの課題を克服できれば、シリーズは再び輝きを取り戻すはずです。
あなたが三国志のファンなら、Switch版の限界を理解しつつ、その中に潜む楽しさを探ってみるのも一興かもしれません。