無双OROCHI3 Ultimateは本当につまらないのか?

「無双OROCHI3 Ultimate」(以下、オロチ3U)は、コーエーテクモゲームスが2019年12月19日にPS4とNintendo Switchで発売し、翌2020年2月14日にSteam版がリリースしたタクティカルアクションゲームです。

『真・三國無双』と『戦国無双』のクロスオーバー作品である「無双OROCHI」シリーズの最新作として、総勢177名ものプレイアブルキャラクターや追加ストーリー、新モード「インフィニットモード」などが特徴です。

しかし、ネット上では「つまらない」「期待外れ」といった声も散見されます。
本当にオロチ3Uはつまらないのか?
本記事では、ゲームの内容、良かった点、問題点、そしてプレイヤーの声を徹底的に分析し、その評価を明らかにします。

 

 

無双OROCHI3 Ultimateの概要

 

オロチ3Uは、2018年に発売された『無双OROCHI3』(以下、無印)の拡張版であり、大型DLCとして提供されています。
無印をアップグレードする形で追加要素が盛り込まれ、ストーリーの拡張、新キャラクターの追加、新モードの実装などが特徴です。
特に、ギリシャ神話や『TROY無双』『NINJA GAIDEN』などのコラボキャラクターが参戦し、シリーズ最大級のボリュームを誇ります。
公式サイトでは「究極進化」を謳い、爽快感ややり込み要素の強化を強調しています。

 

主な追加要素は以下の通りです:

     

  • 新キャラクター:ガイア、ハデス、楊戩、リュウ・ハヤブサ(NINJA GAIDEN)、ジャンヌ・ダルク(ブレイドストーム)、アキレウス(TROY無双)など
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  • 新モード「インフィニットモード」:無尽蔵の敵を相手に戦い、経験値やアイテムを稼ぐやり込みモード
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  • 転生システム:レベル100のキャラクターをリセットし、能力を一部引き継いで強化
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  • 神器つけかえ:キャラクターごとの固定神器を自由に選択可能に
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  • 新ストーリーとエンディング:無印のバッドエンディングを補完する真のエンディング

 

これらの要素は、シリーズファンにとって魅力的に映る一方、実際のゲーム体験には賛否両論が存在します。
以下で、具体的な評価ポイントを掘り下げます。

 

オロチ3Uの魅力:何が面白いのか?

 

オロチ3Uには、シリーズの伝統である爽快感やキャラクターバリエーションの豊富さなど、評価すべきポイントが確かに存在します。
ここでは、プレイヤーやレビューから高く評価されている点を紹介します。

 

圧倒的なキャラクター数とアクションの多様性

 

オロチ3Uの最大の魅力は、177名という圧倒的なプレイアブルキャラクター数です。
『真・三國無双』や『戦国無双』の人気武将に加え、ギリシャ神話の神々やコラボキャラクターが参戦し、選択肢の幅が広がっています。
特に、リュウ・ハヤブサのスピーディーな忍者アクションや、アキレウスのパワフルな攻撃は、シリーズの枠を超えた新鮮さを提供します。
攻撃モーションの被りがほとんどない点も高評価で、キャラクターごとの個性がしっかり表現されています。

 

また、新システム「神器つけかえ」により、キャラ固有の神器を自由に変更できるようになったことで、戦闘の戦略性が向上。
たとえば、使いづらかった神器を持つキャラが強化され、プレイヤーの好みに合わせたカスタマイズが可能です。
この点は、無印の不満を解消する改善として多くのプレイヤーに歓迎されました。

 

シリーズトップクラスの爽快感

 

無双シリーズの醍醐味である「一騎当千」の爽快感は、オロチ3Uでも健在です。
特に、神術アクションは、敵を一掃する派手な演出と強力な効果で、戦闘のテンポを加速させます。
通常神術を使った「浮かせ→攻撃→スキ消し」のループは、初心者でも簡単に大量の敵を倒せるため、ストレス解消に最適です。
レビューでは「シリーズトップクラスの爽快感」と称賛する声もあり、アクションゲームとしての基本的な楽しさは確保されています。

 

ストーリーの補完と感動的なエンディング

 

無印のストーリーは、「オーディンがラスボス」「ストーリーが意味不明」といった批判が多く、物語の完結感が欠けていました。
オロチ3Uでは、新章(6章・7章)と真のエンディングが追加され、無印のバッドエンディングを補完。
ロキやペルセウスの背景が明かされ、ストーリーの謎がスッキリ解決したと評価するプレイヤーもいます。
特に、感動的なシーンやキャラクター同士の絆を描いたサブシナリオは、キャラゲーとしての魅力を高めています。
ストーリークリアに要する時間は約18時間と、ボリュームも十分です。

 

初心者にも優しい設計

 

オロチ3Uは、操作性がシンプルで、初心者でも楽しめる設計が特徴です。
難易度をステージごとに選択でき、簡単な「やさしい」モードならサクサク進められます。
また、ストーリーモードは読み物としても楽しめ、友好度会話イベントでキャラクター同士の交流を堪能可能。
無双シリーズ未経験者でも、キャラゲーやアクションゲームとして気軽にプレイできる点は高評価です。

 

なぜ「つまらない」と言われるのか?問題点と批判

 

一方で、オロチ3Uには多くの批判が寄せられており、特にシリーズファンからの不満が目立ちます。
以下に、主要な問題点を詳しく分析します。

 

インフィニットモードの失望感

 

オロチ3Uの目玉である「インフィニットモード」は、前作『無双OROCHI2 Ultimate』の「アンリミテッドモード」を継承したやり込みモードとして期待されていました。
しかし、実際の仕様は多くのプレイヤーを失望させました。
主な問題点は以下の通りです:

     

  • 敵の数が少ない:フィールド上に敵がまばらで、湧きも遅く、無双らしい「大量の敵をなぎ倒す」爽快感が欠如。
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  • 意味不明なステージルール:敵兵ではなく「壺」を壊すステージや、「アンカーの浄化」で立ち止まるだけの作業的なミッションが頻出。
    無双の戦闘とはかけ離れた内容に、プレイヤーは困惑。
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  • 自由度の低下:前作のアンリミテッドモードでは自由に戦えたが、インフィニットモードは制限が多く、「リミテッドモード」と揶揄されるほど。

 

これらの仕様は、インフィニットモードを「ストレス蓄積作業」と感じさせる要因となり、やり込み要素として期待していたファンに大きな失望を与えました。
あるレビューでは「壺を壊すためにボタン連打するだけのゲームプレイは恐ろしい」とまで表現されています。

 

育成とエンドコンテンツの単調さ

 

オロチ3Uには、転生システムや武器錬金といった育成要素が追加されましたが、これも批判の対象です。
転生システムは、レベル100のキャラを最大9回リセットして強化するものですが、インフィニットモードで稼げる大量の経験値により、短時間で上限に達してしまいます。
結果、育て甲斐や達成感が薄いと評価されています。
また、終盤の敵は即死ダメージを与えてくるため、ステータス強化の意味が薄く、育成のモチベーションが低下します。

 

武器収集も問題が多く、レア武器がノーマル武器と同じ見た目であるため、集め甲斐がありません。
素材集めのドロップ率が低く、膨大な時間がかかるエンドコンテンツは「作業ゲーム」と揶揄され、「時間をドブに捨てている」と感じるプレイヤーもいます。
真武器(最強武器)も見た目が同じで、集める意義が乏しい点は大きなマイナスです。

 

ストーリーとキャラクターの扱いの不満

 

新ストーリーは無印の不満を解消した一方、キャラクターの扱いには課題が残ります。
177名のキャラがいるにも関わらず、固有セリフが少ない点が指摘されています。
特に、神格化武将以外のキャラはほぼ無言で、ストーリーや外伝シナリオでの出番が乏しいです。
たとえば、郭淮や董卓といった個性的なキャラ同士の交流が期待されたが、ほとんど描かれず、「フリーモードのよう」と批判されています。

 

また、無印で弱体化していた『真・三國無双』武将の性能調整が期待されたが、十分な改善が見られず、『戦国無双』武将との格差が残ったまま。
コラボキャラも、前作からの復活(リュウ・ハヤブサなど)に留まり、新規コラボがなかった点は「手抜き」と感じるプレイヤーもいました。

 

UIと操作性の問題

 

UIや操作性にも不満が寄せられています。
たとえば、武将選択画面が勢力ごとに細分化され、キャラ数が多いため探すのが面倒。
また、シナリオ選択画面がツリー形式から変更され、見づらくなった点も批判されています。
インフィニットモードでは、現在地アイコンが小さすぎて位置が分かりにくいという声も。
戦闘では、敵の攻撃モーションが遅く「カカシのよう」と感じられ、テンポが悪いとの指摘もあります。

 

課金要素とBGMの劣化

 

無双シリーズではおなじみのDLC衣装ですが、1着200円と高額で、すべて購入すると数万円かかる点に不満が集中。
プレイヤーからは「歴代衣装を標準で入れてほしい」との声が上がっています。
また、BGMの劣化も問題で、テンポを速くしただけの雑なアレンジや、原曲の雰囲気を損なうアレンジが批判されています。
「無双でBGMがダメな作品は初めて」とのレビューもあり、シリーズファンにとって大きな失望でした。

 

プレイヤーの声:賛否両論のレビュー

 

ネット上のレビューやSNSを調査すると、オロチ3Uへの評価は大きく二分されています。
以下に、代表的な意見をまとめます。

 

肯定的な意見

 

     

  • 「ストーリーが無印よりスッキリ解決して感動した。
    キャラゲーとして楽しめる」
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  • 「神術アクションの爽快感はシリーズ最高。
    初心者でも遊びやすい」
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  • 「ガイアやアテナの性能がぶっ壊れで、戦闘が楽しい」
  •  

  • 「キャラ数が多く、好きな武将で遊べるのが最高」

 

特に、ストーリーの補完や爽快感を評価する声は多く、無双シリーズ未経験者やライトなプレイヤーには好評です。
Steam版の評価も「好評」で、一定の支持を得ています。

 

否定的な意見

 

     

  • 「インフィニットモードが作業ゲーと化して、爽快感ゼロ。
    壺壊しは意味不明」
  •  

  • 「育成要素が単調で、エンドコンテンツに魅力がない。
    武器集めが苦痛」
  •  

  • 「キャラの交流や固有セリフが少なく、キャラゲーとして物足りない」
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  • 「前作(オロチ2U)に比べて進化が少なく、グラフィック以外は退化」

 

シリーズファンの不満は特に顕著で、前作『無双OROCHI2 Ultimate』の完成度の高さに比べ、進化が少ないと感じる声が多数。
インフィニットモードや育成の単調さが、やり込みを求めるプレイヤーの期待を裏切りました。

 

無双OROCHI3 Ultimateはどんな人におすすめ?

 

オロチ3Uが「つまらない」と感じられるかどうかは、プレイヤーの期待やプレイスタイルに大きく依存します。
以下に、向いている人と向いていない人を整理します。

 

おすすめな人

 

     

  • 無双シリーズ初心者:シンプルな操作性と爽快感で、気軽に楽しめる。
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  • ストーリー重視のプレイヤー:無印の続きが気になる人や、キャラ同士の会話を楽しみたい人に最適。
  •  

  • キャラゲー好きな人:好きな武将やコラボキャラを操作したい人には、豊富なキャラ数が魅力。
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  • 短時間でサクサク遊びたい人:難易度「やさしい」で気軽に進められる。

 

おすすめでない人

     

  • シリーズのベテランファン:前作(特にオロチ2U)の完成度を基準にすると、物足りなさを感じる可能性が高い。
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  • やり込みを求める人:インフィニットモードやエンドコンテンツの単調さに失望する可能性大。
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  • 深いストーリーやキャラの交流を期待する人:固有セリフの少なさやキャラの扱いに不満を感じるかも。
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  • 課金に抵抗がある人:高額なDLC衣装や追加コンテンツに不満を抱く可能性。

 

総評:つまらないのか、面白いのか?

 

『無双OROCHI3 Ultimate』は、シリーズの伝統である爽快感やキャラの豊富さを継承しつつ、ストーリーの補完や初心者向けの設計で一定の魅力を発揮しています。
特に、神術アクションや177名のキャラによる多様なプレイスタイルは、ライトなプレイヤーやキャラゲー好きに好評です。
しかし、インフィニットモードの失敗、育成の単調さ、キャラの扱いの薄さ、UIやBGMの劣化など、シリーズファンややり込み勢には大きな不満点が存在します。

 

結論として、オロチ3Uは「つまらない」と一概に切り捨てるには惜しい作品ですが、前作『無双OROCHI2 Ultimate』の完成度を超えるには至らなかったと言えるでしょう。
無双シリーズ未経験者やストーリー重視のプレイヤーにはおすすめですが、深いやり込みやシリーズの進化を期待するプレイヤーには物足りない可能性があります。
購入を検討する場合は、無印を安価で試し、アップグレード版の購入を検討するのが賢明です。

 

あなたがオロチ3Uに求めるものは何か? 爽快感を求めるなら満足できるかもしれませんが、深いやり込みやストーリーを期待するなら、他の無双シリーズ作品を検討するのも一つの選択肢です。
いずれにせよ、177名の英雄たちと共に戦場を駆け抜ける体験は、唯一無二の魅力を持っています。
ぜひ、自分に合うかどうか試してみてください!