カプコンの「祇(くにつがみ)」評価:和風アクションストラテジーの新たな挑戦

カプコンが2024年7月19日にリリースした「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」は、和風の世界観をベースにアクションとタワーディフェンスを融合させた意欲作です。

本作は、独特なゲーム性と美麗なビジュアルで注目を集め、プレイヤーや批評家からさまざまな評価を受けています。
本記事では、くにつがみのゲーム内容、評価のポイント、プレイヤーの反応、さらにはその魅力と課題について、詳細に掘り下げて解説します。

 

 

「祇(くにつがみ)」とは?ゲームの概要

 

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」は、カプコンが開発・発売したシングルプレイ専用のアクションストラテジーゲームです。
プレイヤーは主人公「宗(そう)」を操作し、山の巫女「ヨシナヨリ」を守りながら、魑魅魍魎(ちみもうりょう)と呼ばれる敵を倒し、穢れに侵された村を浄化していく物語が展開されます。
ゲームの舞台は、日本の神話や民間伝承をモチーフにした幻想的な和の世界。
美しいアートデザインと、アクションと戦略性を融合させたゲーム性が特徴です。

 

本作のコアメカニクスは、昼間に村を探索し、資源を集め、村人を役割に割り当てて準備を整え、夜になると現れる敵の波状攻撃を防ぐタワーディフェンス形式です。
宗のダイナミックな剣舞アクションと、村人の配置や役割を戦略的に管理する要素が融合し、プレイヤーに多層的なゲーム体験を提供します。
プラットフォームはPlayStation 5/4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)で、2025年6月5日にはNintendo Switch 2版の発売も予定されています。

 

ゲームの評価:批評家からの反応

 

ポジティブな評価

 

くにつがみは、多くのメディアやレビュアーからその独創性と完成度が高く評価されています。
特に、以下の点が称賛されています。

 

     

  • 和風の世界観とアートデザイン:ゲームのビジュアルは、日本の伝統的な美意識を取り入れた美麗なグラフィックが特徴です。
    桜の花びらが舞う山村や、妖怪を彷彿とさせる敵デザインは、プレイヤーに強い印象を与えます。
    ファミ通のレビューでは、「和の世界観が見事に表現されており、視覚的な没入感が抜群」と評されています。
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  • アクションとストラテジーの融合:アクションゲームとしての爽快感と、タワーディフェンスの戦略性を両立させたゲーム性が好評です。
    電撃オンラインの先行レビューでは、「直感的な操作でアクションを楽しみつつ、戦略的な采配が求められるバランスが秀逸」と述べられています。
    宗の剣舞アクションは、カプコンらしい洗練された操作感を提供し、敵の大群を一掃する爽快感が魅力です。
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  • ユニークなゲームプレイ:昼夜のサイクルを活用したゲーム進行や、村人の役割分担、資源管理といった要素は、従来のアクションゲームやタワーディフェンスとは一線を画す体験を提供します。
    GAME Watchのレビューでは、「カプコンの新たな挑戦として、独自のジャンルを確立した」と高く評価されています。

 

ネガティブな評価と課題

 

一方で、くにつがみには改善の余地があるとの指摘も存在します。
以下のような課題が挙げられています。

 

     

  • ストーリーの簡素さ:本作のストーリーは、巫女を守り穢れを浄化するというシンプルな枠組みに収まっており、キャラクターの深掘りや複雑なプロットが少ないとの声があります。
    あるレビュアーは、「豪華な声優陣や魅力的なキャラが不在で、物語に感情移入しにくい」とコメントしています。
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  • 繰り返し性の高さ:ゲームの進行が一本道で、ステージクリア型の構造が中心であるため、後半になると単調に感じるプレイヤーもいます。
    特に、タスク達成のために同じステージを繰り返す必要がある点が、一部のプレイヤーにとってフラストレーションの原因となっています。
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  • 難易度のバランス:アクション部分は初心者にも遊びやすい設計ですが、戦略パートの難易度がステージによって大きく変動し、一部でバランスが悪いと感じられる場合があります。
    後半のステージでは、敵の数が急増し、準備不足だとクリアが難しい場面も報告されています。

 

プレイヤーの反応:コミュニティの声

 

くにつがみのプレイヤーコミュニティからも、多様な意見が寄せられています。
特に、体験版の配信や製品版の発売後、SNSやブログでの反応が活発です。
以下に、プレイヤーの声をまとめます。

 

肯定的なフィードバック

 

多くのプレイヤーが、くにつがみのユニークなゲーム性とビジュアルに魅了されています。
あるプレイヤーのブログでは、「体験版で感じた独特な雰囲気と、製品版でさらに深まった戦略性が素晴らしい。
約30時間でクリアしたが、和菓子を集めるタスクが楽しかった」との感想が述べられています。
また、フォトモードで撮影したスクリーンショットを共有するプレイヤーも多く、ゲームの美麗なグラフィックがコミュニティで話題となっています。

 

さらに、カプコンの過去作「大神」とのコラボレーションも好評です。
発売後のアップデートで追加された「大神」コラボの魔像やアイテムは、50万人プレイヤー達成記念として無料配布され、ファンから大きな支持を集めました。
あるプレイヤーは、「大神の雰囲気を感じられる要素がくにつがみに加わり、両作品のファンを喜ばせる粋な演出」とコメントしています。

 

否定的なフィードバック

 

一方で、一部のプレイヤーはゲームの単調さや難易度に不満を表明しています。
特に、タワーディフェンスの要素に慣れていないプレイヤーからは、「戦略パートが複雑で、アクションに集中したいのにリソース管理が面倒」との声が聞かれます。
また、クリア後のやり込み要素が少ないとの指摘もあり、「本編クリア後のチャレンジ要素が物足りない」と感じるプレイヤーもいます。

 

くにつがみの魅力:なぜ注目されるのか

 

くにつがみが多くのプレイヤーや批評家から注目される理由は、以下の要素に集約されます。

 

     

  1. カプコンの新たな挑戦:カプコンは「バイオハザード」や「モンスターハンター」といった大作で知られていますが、くにつがみは比較的低予算で制作された中規模タイトルです。
    それにも関わらず、独自のジャンルを確立し、高い完成度を実現した点が評価されています。
    制作コストを抑えつつ、こだわるべき部分に注力した姿勢は、カプコンの開発力の高さを示しています。
  2.  

  3. 和の美学と現代的ゲーム性の融合:日本の伝統的な美意識を現代のゲームデザインに落とし込んだ点は、国内外のプレイヤーから支持されています。
    特に、海外のプレイヤーからは「日本の文化をリスペクトしつつ、誰もが楽しめるゲーム性を実現している」との声が多く、グローバルな訴求力を持っています。
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  5. アクセシビリティの高さ:アクションの難易度は初心者にも優しく、戦略パートも段階的に学べる設計です。
    体験版の配信により、購入前にゲーム性を試せる点も、プレイヤーにとって大きなメリットとなっています。

 

くにつがみの課題と今後の展望

 

くにつがみは多くの魅力を持つ一方で、改善の余地がある点も明らかです。
以下に、今後のアップデートや続編で期待される改善点を挙げます。

 

     

  • ストーリーの強化:より深いキャラクター描写や、複雑なプロットを追加することで、物語への没入感を高めることが期待されます。
    豪華声優陣を起用し、キャラクタードリブンのストーリーを展開すれば、プレイヤーの感情移入が促進されるでしょう。
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  • やり込み要素の拡充:クリア後の高難易度モードや、新たなステージ、追加のタスクなどを導入することで、リプレイ性を向上させることができます。
    現在のチャレンジ要素は限定的であるため、長期的なモチベーションを維持するコンテンツが求められます。
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  • 難易度調整の最適化:戦略パートの難易度をより滑らかに調整し、初心者から上級者までが楽しめるバランスを実現することが重要です。
    特に、後半のステージでの急激な難易度上昇を緩和する工夫が期待されます。

 

カプコンは、発売後のアップデートで「大神」コラボや魔像の追加など、プレイヤーのフィードバックに応じた対応を見せています。
今後もコミュニティの声を反映したアップデートが続けば、くにつがみの評価はさらに高まるでしょう。
また、本作の成功を受けて、和風アクションストラテジーの続編や、類似のコンセプトを採用した新作が開発される可能性も考えられます。

 

プレイヤーへのおすすめポイント

 

くにつがみをまだプレイしていない方に向けて、以下におすすめポイントをまとめます。

 

     

  • 和風ゲームが好きな人:日本の神話や民間伝承をテーマにした世界観は、和風ゲームのファンにとってたまらない魅力です。
    大神や鬼武者といったカプコンの過去作が好きなプレイヤーにもおすすめです。
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  • アクションとストラテジーの両方を楽しみたい人:爽快なアクションと頭を使う戦略性の両方を求めるプレイヤーに最適。
    タワーディフェンス初心者でも、チュートリアルが丁寧なので安心して始められます。
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  • ビジュアル重視のプレイヤー:フォトモードを活用して、美しいグラフィックを堪能したい人にぴったり。
    スクリーンショットを撮影してSNSで共有する楽しみもあります。

 

また、体験版が無料で配信されているため、購入を迷っている場合はまず試してみることを強くおすすめします。
体験版では、ゲームの基本的なメカニクスや世界観を十分に味わえます。

 

まとめ:くにつがみの評価とその意義

 

「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」は、カプコンの新たな挑戦として、和風アクションストラテジーという独自のジャンルを打ち出した意欲作です。
美麗なビジュアル、アクションと戦略の融合、ユニークなゲーム性は、多くのプレイヤーや批評家から高い評価を受けています。
一方で、ストーリーの簡素さや繰り返し性の高さ、難易度のバランスといった課題も存在し、今後のアップデートや続編での改善が期待されます。

 

本作は、カプコンの開発力とクリエイティビティを示す一例であり、和の美学を現代のゲームに落とし込んだ点で、国内外で大きな注目を集めました。
50万人以上のプレイヤーが体験し、「大神」とのコラボなど、コミュニティとの積極的な関わりも見せるくにつがみは、2024年のゲーム業界において特筆すべき存在です。

 

あなたがアクションゲームの爽快感や戦略的な思考を楽しみたいプレイヤーなら、くにつがみは間違いなくプレイする価値のあるタイトルです。
体験版から始めて、その独特な世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか?カプコンの新たな神話は、あなたの手でさらに輝きを増すかもしれません。