「ホグワーツ・レガシー」は、ハリー・ポッターの世界を舞台にしたオープンワールドRPGとして、2023年に大きな話題を呼びました。
PS5やPC版で高い評価を受けたこのゲームですが、Nintendo Switch版については「ひどい」「期待外れ」といった声が一部で聞かれます。
では、実際のところSwitch版は本当にひどいのでしょうか?
この記事では、グラフィック、ロード時間、ゲームプレイ、世界観の再現度など、さまざまな観点からSwitch版の真の姿を徹底的にレビューします。
ハリー・ポッターファンやSwitchユーザーの皆様にとって、購入の判断材料となる情報をお届けします!
「ホグワーツ・レガシー」は、1800年代の魔法界を舞台に、ホグワーツ魔法魔術学校の生徒として冒険を繰り広げるアクションRPGです。プレイヤーはオリジナルのキャラクターを作成し、呪文を習得したり、ホグワーツ城やホグズミードを探索したり、魔法界の秘密を解き明かしたりします。Switch版は、PS5版やPC版の発売から遅れること約9か月、2023年11月14日にリリースされました。価格は7,980円(税込)で、携帯モードとTVモードの両方に対応しています。
しかし、Switchのハードウェア性能はPS5やPCに比べて大きく劣るため、リリース前から「スペック的に厳しいのでは?」という懸念の声が上がっていました。実際、Switchは発売から7年以上が経過し、最新のオープンワールドゲームを動かすには限界があると指摘されています。このような背景から、Switch版に対するネガティブな意見が生まれたのです。では、具体的にどのような点が「ひどい」と言われているのでしょうか?以下で詳細に検証していきます。
Switch版「ホグワーツ・レガシー」に対する最も多い批判は、グラフィックの品質に関するものです。PS5版やPC版では、美麗なビジュアルと細部まで作り込まれたホグワーツ城が絶賛されました。一方、Switch版ではハードウェアの制約により、グラフィックが大幅にダウングレードされています。具体的には、以下のような違いが指摘されています。
これらの点は、PS5版やPC版をプレイしたユーザーにとっては大きなギャップに感じられるかもしれません。実際に、PS5版のプレイ動画と比較したYouTube動画が話題になり、「Switch版のグラフィックがひどい」との声が広がりました。しかし、Switch版単体で見るとどうかという視点も重要です。
Switchのスペック(メモリ4GB、Tegra X1チップ)は、PS5(メモリ16GB)や最新PCに遠く及びません。このため、開発元のAvalanche Softwareは、Switch向けにグラフィックを最適化する必要がありました。結果として、オブジェクト数を減らし、描画距離を短くするなどの工夫が施されています。それでも、Switchのゲームとしては驚くほど美しいビジュアルを実現しているという意見もあります。
たとえば、ホグワーツ城の大階段や動く肖像画、ホグズミードの街並みなど、ハリー・ポッターの世界を象徴する要素はしっかりと再現されています。Switchの他のオープンワールドゲーム(例:「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」や「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」)と比較しても、グラフィックのクオリティは決して低くありません。特に携帯モードでプレイする場合、画面の小ささによって粗さが目立ちにくく、十分に没入感のある体験が得られます。
結論として、PS5版と比較するとグラフィックは明らかに劣るものの、Switchのハードウェア性能を考慮すれば、開発者の努力により「ひどい」と呼ぶには程遠い仕上がりです。ハリー・ポッターファンであれば、グラフィックの粗さよりも世界観の再現度に感動する可能性が高いでしょう。
Switch版のもう一つの批判ポイントは、ロード時間の長さです。オープンワールドゲームでは、広大なマップや異なるエリアへの移動時にロードが発生します。PS5版では高速SSDによりロード時間が数秒程度だったのに対し、Switch版では以下のような問題が報告されています。
これらのロード時間は、PS5版の「ほぼシームレス」に近い体験と比べると、確かにストレスを感じる場面があるかもしれません。特に、ホグズミードでの頻繁な屋内外の移動では、ロードの頻度が気になるという声もあります。
しかし、ロード時間に関しては、Switchの他の大型ゲーム(例:「ウィッチャー3 ワイルドハント」)でも同様の課題が見られます。Switch版「ホグワーツ・レガシー」は、開発者が最適化を重ねた結果、ホグワーツ城内を徒歩で移動する際にはロードがほとんど発生しないよう設計されています。また、箒や飛行マウントを使った移動中も、フレームレートの大幅な低下は抑えられており、快適にプレイできる場面も多いです。
ユーザーの声を見てみると、「ロードは長いが、ストーリーや探索の楽しさに比べれば気にならない」「携帯モードで気軽に遊べるので我慢できる」というポジティブな意見も多く見られます。逆に、PS5版の快適さに慣れているプレイヤーにとっては、ロード時間の差が「ひどい」と感じられる可能性があります。したがって、ロード時間はSwitchの限界を反映したものであり、許容範囲はプレイヤーの期待値次第と言えるでしょう。
「ホグワーツ・レガシー」の魅力の核心は、ハリー・ポッターの世界を自由に冒険できるゲームプレイにあります。呪文を駆使した戦闘、謎解き、探索、キャラクター育成など、さまざまな要素が詰め込まれています。Switch版では、これらの要素がどの程度再現されているのでしょうか?
Switch版の戦闘は、PS5版とほぼ同じシステムを採用しています。プレイヤーは「アクシオ」「ルーモス」「アバダ・ケダブラ」などの呪文を組み合わせて敵と戦います。魔法をコンボにつなげたり、環境オブジェクトを利用したりする戦術的な要素も健在です。IGNのレビューでは、「魔法を組み合わせた戦闘が挑戦的で魅力的」と高く評価されており、Switch版でもこの楽しさは損なわれていません。
ただし、フレームレートの低下が戦闘中にまれに発生することがあり、特に敵の数が多い場面では動きがカクつく場合があります。それでも、開発者が最適化を行った結果、Switchの他のアクションRPGと比べてもスムーズな操作感が保たれています。ハリー・ポッターファンなら、映画さながらの魔法バトルをSwitchで体験できることに感動するでしょう。
ホグワーツ城の探索は、ゲームの最大の魅力の一つです。動く階段、隠し通路、喋る肖像画など、原作や映画で見た要素が数多く再現されています。Switch版では、一部の装飾が省略されているものの、ホグワーツの雰囲気はしっかりと残っています。たとえば、以下のような原作再現ポイントがSwitch版でも楽しめます。
ただし、一部のユーザーからは、「ホグワーツ外のフィールドはインタラクションが少なく、単調に感じる」という意見もあります。広大なマップは用意されているものの、サイドクエストや収集要素が少ないエリアでは、探索のモチベーションが下がる場合があるようです。これはSwitch版特有の問題ではなく、PS5版でも指摘されていた点です。
メインストーリーは、魔法界の古代の秘密を解き明かす壮大な物語で、約20~30時間でクリア可能です。Switch版のストーリー内容は他機種版と変わらず、原作を知らないプレイヤーでも楽しめるよう設計されています。ファミ通のレビューでは、「原作のエッセンスをしっかり盛り込んでいる」と高評価を受けています。
しかし、一部のプレイヤーからは「メインストーリーが一本道でマルチエンディングでない」「サイドクエストが単調」との声も。クリア率がPS5版で34%程度と低めなのは、ストーリーのボリューム感や繰り返し要素が原因かもしれません。Switch版では、これらの課題がグラフィックやロード時間の制約と相まって、より目立つ可能性があります。それでも、ハリー・ポッターの世界に浸りたいファンには十分満足できる内容です。
Switch版「ホグワーツ・レガシー」のユーザー評価は、賛否両論に分かれています。以下に、ポジティブな意見とネガティブな意見を整理します。
全体的に、ハリー・ポッターファンやSwitchしか持っていないユーザーは満足度が高く、PS5版を基準に考えるユーザーほど不満を感じやすい傾向が見られます。メタスコアでは、PS5版が86点、Switch版は84点と大きな差はなく、ユーザースコアも8.5点と高評価です。このことから、Switch版が「ひどい」と一概に言えないことがわかります。
なぜSwitch版が「ひどい」と一部で言われるのか、その理由を以下にまとめます。
しかし、これらの批判は「Switch版がひどい」というよりも、ハードウェアの限界とユーザーの期待値のミスマッチに起因するものです。Switch版を単体で評価する場合、開発者の最適化努力により、ハリー・ポッターの世界を十分に楽しめるクオリティに仕上がっています。実際、2200万本以上の世界売上を誇る本作のSwitch版も、「執念の神移植」と称されるほど高い評価を受けています。
最後に、Switch版「ホグワーツ・レガシー」をおすすめできる人とそうでない人を明確にします。
Switch版「ホグワーツ・レガシー」は、確かにPS5版やPC版に比べるとグラフィックやロード時間で劣ります。しかし、Switchの限られたハードウェア性能の中で、ハリー・ポッターの魔法世界をここまで再現したことは、開発者の技術力と情熱の賜物です。ホグワーツ城の探索、呪文を使った戦闘、原作への愛が詰まったディテールは、Switch版でもしっかりと楽しめます。
「ひどい」という声は、他機種版との比較や過剰な期待によるものが大きく、Switch版単体で見れば「神移植」と呼ぶにふさわしいクオリティです。特に、ハリー・ポッターファンや携帯モードで気軽に遊びたい人にとっては、7,980円以上の価値があるゲームと言えるでしょう。購入を迷っている方は、セール時(例:ニンテンドーeショップでの割引)を狙うのもおすすめです。
あなたはホグワーツの生徒として、どんな冒険を繰り広げたいですか?Switch版「ホグワーツ・レガシー」で、魔法の世界への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?