「大神 絶景版」は、2006年にPlayStation 2で発売されたアクションアドベンチャーゲーム「大神」のHDリマスター版として、2017年から2018年にかけてPS4、Xbox One、Nintendo Switch、PC(Steam)向けにリリースされました。
独特の水墨画風グラフィックと日本神話を基にしたストーリーで、多くのゲーマーから「神ゲー」と称賛されてきた本作。
しかし、ネット上ではつまらないという声も散見されます。
この記事では、こうした意見の真相を掘り下げ、「大神 絶景版」が本当に「つまらない」のか、その魅力と課題を徹底的に検証します。
実際にプレイしたユーザーのレビューや筆者の体験を基に、購入を迷っている方やプレイ中に物足りなさを感じている方に向けて、客観的かつ詳細な情報を提供します。
「大神 絶景版」は、カプコンが開発し、クローバースタジオが手掛けたオリジナル作品「大神」を現代のハード向けに高解像度化したリマスター版です。
プレイヤーは、太陽神アマテラスが狼の姿で登場する主人公を操作し、ヤマタノオロチの復活によって闇に閉ざされた世界「ナカツクニ」を救う冒険に出ます。
ゲームの特徴は以下の通りです。
オリジナル版は2006年の発売当時、商業的には成功しませんでしたが、ユーザーの高評価によりカルト的な人気を獲得。
2018年には「動物キャラクターが主役の最も評判の高いビデオゲーム」としてギネス世界記録に認定されました。
リマスター版である「絶景版」は、グラフィックを強化し、Nintendo Switchではタッチ操作やジャイロ操作を追加するなど、現代のプレイ環境に適応した仕様となっています。
「大神 絶景版」を検索すると、関連キーワードに「つまらない」が挙がることがあり、実際に一部のレビューで否定的な意見が見られます。
これらの不満点を、ユーザーの声やレビューから以下にまとめ、分析します。
多くのユーザーが指摘するのが、カメラワークの不親切さです。
左スティックで移動、右スティックでカメラを操作する仕様ですが、移動時にカメラが自動追尾するため、細かい動きで画面がブレやすく、見づらいと感じるプレイヤーがいます。
特に、3D空間を高速で移動するシーンや戦闘中では、このブレがストレスになる場合があります。
一部のレビューでは、「カメラの自動追尾をオフにできれば良かった」「イベント後にカメラ設定がリセットされるのが不便」との声が上がっています。
また、Nintendo Switch版ではタッチ操作やジャイロ操作が追加されていますが、プロコン(Proコントローラー)での「筆しらべ」の操作がやや難しく、時間制限のあるミニゲームでストレスを感じるプレイヤーもいます。
たとえば、筆で正確な図形を描く必要があるシーンで、判定がシビアだと感じる声が見られました。
戦闘システムについては、「単調で物足りない」という意見があります。
敵に近づくと戦闘エリアに閉じ込められ、筆しらべや通常攻撃で戦う仕様ですが、一部の筆しらべ(例:斬撃や時間遅延)を使えば簡単に敵を倒せるため、戦略性が乏しいと感じるプレイヤーがいます。
特に、アクションゲームに慣れているゲーマーからは、「○ボタン連打でクリアできる」「戦闘が作業的」との声が上がっています。
また、ゲーム全体の難易度が低めで、謎解きもヒントが豊富なため、詰まることなく進行できる一方、「挑戦感が足りない」と感じるプレイヤーもいます。
ボス戦を除き、戦闘が単純になりがちな点は、オリジナル版の設計が10年以上前のものに基づいているため、現代の複雑なアクションゲームに慣れたプレイヤーには物足りなく映る可能性があります。
「大神 絶景版」はリマスター版ですが、ゲームのコアシステムは2006年のオリジナル版をほぼそのまま引き継いでいます。
そのため、現代のゲームと比べると古臭さを感じる部分があります。
具体的には以下の点が挙げられます。
一部のレビューでは、「PS2時代のゲームシステムがそのままなので不便」「ファミコン時代より低品質」と厳しい意見も見られました。
これらは、リマスター版としての改良がグラフィック中心にとどまり、システム面の現代化が不十分だったことが原因と考えられます。
「大神」の謎解きは、筆しらべを使ったものが中心ですが、一部の謎解きが理不尽だと感じるプレイヤーがいます。
たとえば、特定のオブジェクトにどの筆しらべを使うかが分かりづらい場合や、時間制限のあるミニゲーム(例:神経衰弱や穴掘り)が難しすぎるとの声があります。
特に、ストーリー進行に必須なミニゲームで失敗を繰り返すと、ストレスが溜まるという意見が目立ちます。
一部のプレイヤーは、「攻略情報なしでは自力クリアが難しい」と感じ、ゲームの親切設計に欠けると指摘しています。
「大神」は「神ゲー」として高く評価されているため、プレイ前に大きな期待を抱くプレイヤーが多いです。
しかし、期待値が高すぎるがゆえに、実際にプレイすると「思ったほどではなかった」と感じるケースがあります。
特に、ゼルダの伝説シリーズのような深みのある謎解きや、オープンワールドゲームのような自由度を期待していたプレイヤーからは、「筆しらべの応用性が乏しい」「探索の自由度が低い」といった不満が出ています。
このギャップは、事前の情報収集不足や、現代のゲーム基準で評価してしまうことが原因と考えられます。
一方で、「大神 絶景版」は多くのプレイヤーから絶賛されており、その魅力は10年以上経った今でも色褪せていません。
以下に、ユーザーの高評価ポイントと、筆者が実際にプレイして感じた本作の強みを紹介します。
「大神 絶景版」の最大の魅力は、水墨画風の3Dグラフィックです。
背景やキャラクターが日本画のように描かれ、動くたびに墨の質感が感じられるビジュアルは、他のゲームでは味わえない独自性を持っています。
特に、汚染されたエリアが浄化され、花や草木が咲き乱れる「大神降ろし」のシーンは、視覚的な感動を与えます。
HDリマスターにより、PS4やPCでは4K対応、Switchでも鮮明な画質で楽しめるため、現代のテレビやモニターでもチープさを感じません。
ユーザーレビューでは、「スクショを撮りたくなる美しさ」「歩くだけで絵画の世界に入り込んだ気分」との声が多数。
筆者も、アマテラスが爆走すると地面に花が咲くエフェクトに心を奪われ、何度もフィールドを走り回りました。
このグラフィックは、日本人に特有の美的感覚を刺激し、プレイするだけで「日本人で良かった」と感じる瞬間を提供します。
ストーリーは、日本神話や昔話を基にした壮大な冒険譚でありながら、シリアスとコミカルのバランスが絶妙です。
主人公アマテラスと相棒のイッスンをはじめ、スサノオやウシワカなど、個性的なキャラクターが織りなす物語は、笑いあり、涙ありの展開でプレイヤーを引き込みます。
特に、ラスボス戦の演出やエンディングは、多くのプレイヤーが「涙腺崩壊」と評する感動的なシーンです。
ユーザーの声では、「ストーリーが秀逸でサクサク進めた」「キャラクターの掛け合いが面白く、飽きない」との評価が目立ちます。
筆者も、イッスンの軽快なツッコミや、スサノオのコミカルな活躍に何度も笑い、終盤の展開では思わず涙しました。
このストーリーの魅力は、ゲームの古さを補って余りあるものがあります。
「筆しらべ」は、本作独自のゲームシステムであり、画面に図形を描くことでさまざまなアクションを起こせます。
たとえば、円を描いて太陽を呼び出したり、線を引いて風を起こしたり、敵の弱点を突くために特定の模様を描いたりします。
このシステムは、探索や戦闘、謎解きに幅を持たせ、プレイヤーに「自分で世界を動かしている」感覚を与えます。
レビューでは、「筆しらべのアイデアが斬新」「アクションに飽きが来ない」との声が多く、Switch版のタッチ操作は特に直感的で高評価です。
筆者も、筆しらべを駆使して枯れた木を復活させる瞬間や、ボス戦で弱点を突く爽快感に魅了されました。
ただし、判定のシビアさや一部のミニゲームの難易度が課題として残るものの、全体としてはゲーム性を高める要素として機能しています。
「大神」のBGMは、ゲーム音楽の傑作として知られ、特にラスボス戦の「太陽は昇る」は多くのファンが「神曲」と称賛します。
和風の旋律や祭囃子のような賑やかな曲が、世界観と見事にマッチし、プレイヤーの感情を高めます。
エンディング曲「Reset」も、平原綾香の優しい歌声がストーリーの余韻を深め、感動を増幅します。
ユーザーのレビューでは、「BGMだけでプレイする価値がある」「ラスボス戦の演出と音楽の合わせ技で泣いた」との声が多数。
筆者も、「太陽は昇る」が流れるシーンでは、音楽と演出の相乗効果で鳥肌が立ちました。
この音楽の力は、ゲームの古さを忘れさせる大きな要素です。
「大神 絶景版」は、通常価格が約3,000円と手頃で、セール時には1,500円程度で購入可能な場合もあります。
30時間以上のボリュームがあり、サイドクエストややり込み要素も豊富なため、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
レビューでは、「この価格でこのクオリティは神」「名作を気軽に楽しめる」との声が多く、初めてプレイする人にもリプレイするファンにもおすすめされています。
「大神 絶景版」に対する評価が分かれる理由は、プレイヤーの期待や好み、ゲームに求める要素の違いに起因します。
以下に、両者の視点の違いを整理します。
たとえば、ゼルダの伝説「ブレス オブ ザ ワイルド」のような自由度の高いゲームを基準にすると、「大神」の探索や謎解きは制限的に感じるかもしれません。
一方、ストーリーやビジュアルを重視するプレイヤーには、唯一無二の体験として映ります。
筆者としては、プレイ前に「2006年のゲームのリマスター」という前提を理解しておくことで、期待値のギャップを減らせると感じました。
「大神 絶景版」を購入するか迷っている方に向けて、以下の注意点をまとめました。
これらを踏まえ、自分に合うゲームかを判断してください。
結論として、「大神 絶景版」は人を選ぶが、唯一無二の体験を提供する名作です。
以下のような方には特におすすめです。
一方、以下のような方には合わない可能性があります。
筆者としては、「大神 絶景版」はその欠点を補って余りある魅力を持つと感じました。
カメラワークやシステムの古さは確かに気になるものの、グラフィックの美しさ、ストーリーの感動、筆しらべのユニークさは、他のゲームでは味わえない体験です。
特に、ラスボス戦の演出と「太陽は昇る」のBGMは、プレイ後何年経っても心に残るものでした。
「大神 絶景版」が「つまらない」と感じられるかどうかは、プレイヤーの期待や好みに大きく左右されます。
現代のゲーム基準では古臭く感じる部分がある一方、水墨画風のグラフィック、心温まるストーリー、ユニークな筆しらべは、今なお輝きを放つ要素です。
約3,000円という手頃な価格で、30時間以上の感動的な冒険を楽しめることを考えると、ゲーマーなら一度は体験してほしい作品です。
購入を迷っているなら、まずはセール時に試してみるのも良いでしょう。
また、ストーリーや世界観を重視するなら、序盤のテンポの遅さを乗り越えてプレイを続けてみてください。
きっと、アマテラスと共にナカツクニを駆け巡る旅が、忘れられない思い出になるはずです。
あなたは、「大神 絶景版」の世界に飛び込む準備ができていますか?