PlayStation 5(PS5)は、優れたグラフィックと高速なパフォーマンスでゲーム体験を革新しましたが、Bluetoothヘッドホンの接続に関しては、ネイティブサポートがないため一工夫が必要です。 この記事では、PS5でBluetoothヘッドホン を快適に使用するための方法、設定手順、おすすめのヘッドホン、さらには代替案まで、初心者から上級者までが活用できる詳細な情報を解説します。 PS5の3Dオーディオをフル活用し、没入感のあるゲーム体験を実現しましょう!
PS5がBluetoothヘッドホンをネイティブサポートしない理由
Bluetooth接続の技術的制約
PS5がBluetoothオーディオ機器を直接サポートしない理由は、主にレイテンシー(遅延)と帯域幅 の問題にあります。 PS5はDualSenseコントローラーの通信にBluetoothを使用しており、追加でBluetoothオーディオ機器を接続すると、帯域幅の競合が発生する可能性があります。 これにより、音声の遅延や品質低下が起こり、ゲーム中のタイミングが重要なシーンで不利になることがあります。 特に、60FPSの高速アクションゲームやオンラインマルチプレイヤーゲームでは、わずかな遅延が勝敗を左右します。 Sonyはこれを避けるため、Bluetoothオーディオのネイティブサポートを見送り、2.4GHzワイヤレスや有線接続を推奨しています。
代替としてのPlayStation Linkと2.4GHz接続
Sonyは、PS5向けに独自のワイヤレス接続規格「PlayStation Link」を導入しました。 この技術は、超低遅延で高品質なオーディオを提供し、PULSE 3DやPULSE Eliteなどの公式ヘッドセットで採用されています。 2.4GHz接続のUSBドングルを使用するサードパーティ製ヘッドセットも、低遅延で安定した接続が可能です。 これらの接続方式は、BluetoothのA2DPプロファイル(高品質ステレオオーディオ用)を使用する場合に比べ、ゲーム用途でのパフォーマンスが優れています。
PS5でBluetoothヘッドホンを使う方法
PS5でBluetoothヘッドホンを使用するには、以下の2つの主要な方法があります。 それぞれの手順とメリット・デメリットを詳しく解説します。
方法1:Bluetoothアダプター(ドングル)を使用する
PS5でBluetoothヘッドホンを使用する最も一般的な方法は、USB Bluetoothアダプター を介した接続です。 以下は具体的な手順です:
適切なアダプターの選択 :PS5で使用するBluetoothアダプターは、オーディオ信号を送信可能な「トランスミッター」である必要があります。 データ転送専用やレシーバー専用のアダプターは使用不可です。 おすすめブランドには、AvantreeやCreativeがあり、aptX Low Latency対応モデル(例:Avantree DG80)が低遅延で優れています。
アダプターの接続 :アダプターをPS5のUSBポート(前面のUSB-A/USB-C、または背面のUSB-A)に挿します。 前面ポートは信号干渉が少ないため推奨されます。
ペアリングモードの有効化 :
アダプター:ペアリングボタンを5~10秒長押しし、LEDが点滅するのを確認(機種により異なるため、マニュアルを確認)。
ヘッドホン:ヘッドホンのペアリングモードを有効化(例:AirPodsの場合、ケース背面のボタンを長押し)。
接続の確認 :両デバイスが近距離にあることを確認し、30秒以内に接続が完了するのを待ちます。 成功するとアダプターのLEDが点灯状態に変化します。
PS5のオーディオ設定 :PS5の「設定」>「サウンド」>「オーディオ出力」に移動し、「出力デバイス」でアダプターを選択。 「ヘッドホンへの出力」を「すべてのオーディオ」に設定して、ゲーム音とチャット音を両方聞けるようにします。
マイク設定(必要に応じて) :一部のアダプターはマイク使用時に「会話モード」に切り替える必要があります。 ただし、AirPodsなどのBluetoothヘッドホンのマイクはPS5で動作しない場合が多いため、DualSenseコントローラーの内蔵マイクや別売りのUSBマイクを使用してください。
メリット
手持ちのBluetoothヘッドホン(例:Sony WH-1000XM5、AirPods Max)をそのまま活用可能。
アダプターは比較的安価(3,000~5,000円程度)で購入可能。
設定が簡単で、特別な技術知識が不要。
デメリット
アダプターの性能により、音質や遅延が異なる。 非aptXモデルでは遅延が顕著な場合も。
マイク機能が制限される場合が多く、オンラインチャットに別デバイスが必要。
Sonyはサードパーティ製アダプターの互換性を保証しないため、動作しないリスクがある。
方法2:テレビのBluetooth機能を利用する
PS5本体を介さず、テレビのBluetooth機能を利用してヘッドホンを接続する方法もあります。 この方法は、アダプター購入を避けたい場合に有効です。 手順は以下の通り:
テレビのBluetooth対応を確認 :使用しているテレビがBluetoothオーディオに対応しているか確認します(例:Sony Bravia、Samsung QLEDの最近のモデル)。 対応していない場合は、この方法は使用不可です。
テレビの設定 :テレビの「設定」メニューから「Bluetooth」または「サウンド出力」を選択し、Bluetoothペアリングを有効にします。
ヘッドホンのペアリング :ヘッドホンをペアリングモードにし、テレビのデバイスリストから選択して接続します。
PS5の接続確認 :PS5をHDMI経由でテレビに接続し、ゲーム音声がヘッドホンから出力されることを確認します。
メリット
追加のデバイス購入が不要。
PS5以外のコンテンツ(Netflix、YouTube)も同じヘッドホンで視聴可能。
デメリット
テレビのBluetooth性能に依存し、遅延が発生する場合がある。
テレビがBluetooth非対応の場合、使用不可。
PS5の3Dオーディオ設定が制限される可能性がある。
PS5におすすめのBluetooth対応ヘッドホンとアダプター
おすすめBluetoothヘッドホン
PS5で使用するBluetoothヘッドホンは、音質、快適性、バッテリー寿命を重視して選びましょう。 以下は特におすすめのモデルです:
Logitech G PRO X 2 LIGHTSPEED Wireless :上位価格帯で最高の選択肢。 低遅延の2.4GHz接続に加え、Bluetooth接続もサポート。 約100時間のバッテリー寿命と快適なフィット感が特徴。 PS5ではアダプターを介してBluetooth接続可能で、クリアなマイク音質も魅力。
Audeze Maxwell Wireless :プレミアムなゲーミングヘッドホン。 PlayStation向けモデルはTempest 3Dオーディオに対応し、温かみのあるサウンドプロファイルが特徴。 Bluetooth接続でモバイルデバイスとも併用可能。
Turtle Beach Stealth 600 (Gen 3) Wireless :予算重視の選択肢。 USBドングルで低遅延接続を提供し、Bluetoothでスマートフォンとも接続可能。 QuickSwitchボタンでデバイス切り替えが簡単。
Sony WH-1000XM5 :音楽用ヘッドホンとして定評のあるモデル。 PS5ではアダプター経由で使用可能。 高品質なノイズキャンセリングとバランスの良い音質が魅力。 ただし、マイクはPS5で使用不可。
おすすめBluetoothアダプター
アダプター選びは、互換性と低遅延性能が鍵です。
以下のモデルが信頼性が高く推奨されます:
Avantree DG80 :aptX Low Latency対応で遅延が少なく、PS5との相性が良い。 コンパクトでセットアップも簡単。
Creative BT-W3 :USB-C接続でPS5の前面ポートに最適。 USB-A変換アダプター付属で柔軟性が高い。
1Mii Bluetooth Audio Transmitter :マイク対応モデルもあり、チャット用途に適している。 価格も手頃。
PS5公式ヘッドセットとBluetoothヘッドホンの比較
Sony PULSE 3D Wireless Headset
Sonyの公式ヘッドセット「PULSE 3D」は、PS5のTempest 3Dオーディオに最適化されており、2.4GHz接続のUSBドングルを使用します。
主な特徴は以下の通り:
3Dオーディオ対応 :ゲーム内の音を全方位から体感可能。
ノイズキャンセリングマイク :クリアなボイスチャットを実現。
快適性 :長時間のプレイでも疲れにくい設計。
価格 :約10,000円と手頃。
ただし、Bluetooth接続は非対応で、モバイルデバイスとの併用はできません。
Bluetoothヘッドホンとの比較
項目
PULSE 3D
Bluetoothヘッドホン(アダプター使用)
接続方式
2.4GHz(USBドングル)
Bluetooth(アダプター経由)
3Dオーディオ
最適化済み
対応(アダプター品質に依存)
マイク
高品質、PS5対応
制限あり(別マイク必要の場合も)
汎用性
PS5/PS4/PC向け
スマホ/PC/TVなど多用途
価格
約10,000円
ヘッドホン+アダプターで変動
PS5の3Dオーディオを最大限に活用する設定
3Dオーディオの設定方法
PS5のTempest 3Dオーディオは、仮想サラウンド技術により、音の方向感を精密に再現します。
Bluetoothヘッドホンでも以下の設定で最適化できます:
PS5の「設定」>「サウンド」>「3Dオーディオ」を選択。
「ヘッドホンで3Dオーディオを有効にする」をオンに。
「ヘッドホンのプロファイルを調整」で、耳の高さに合わせたプロファイルを選択(5段階から選択可能)。
ゲーム内のオーディオ設定で、3Dオーディオ対応を確認(例:『Spider-Man: Miles Morales』や『Returnal』)。
イコライザーのカスタマイズ
一部のヘッドホン(例:Audeze Maxwell)は専用アプリでイコライザー調整が可能です。
PS5の「サウンド」メニューでも、3つのプリセット(標準、バスブースト、シューター)と3つのカスタムスロットが利用できます。
アクションゲームでは高音を強調、ストーリー重視のゲームでは低音を強化するなど、ゲームジャンルに応じて調整しましょう。
よくある問題と対処法
音声が聞こえない
原因 :アダプターのペアリング失敗、またはPS5の出力設定ミス。
対処法 :アダプターとヘッドホンを再ペアリングし、PS5の「出力デバイス」でアダプターが選択されているか確認。
遅延が発生する
原因 :非aptXアダプターやテレビのBluetooth性能が低い。
対処法 :aptX Low Latency対応アダプターに変更、または2.4GHz接続のヘッドセットを検討。
マイクが動作しない
原因 :BluetoothヘッドホンのマイクがPS5で非対応。
対処法 :DualSenseの内蔵マイク、またはUSB/3.5mm接続の別マイクを使用。
Bluetoothヘッドホン以外の代替案
2.4GHzワイヤレスヘッドセット
低遅延を重視するなら、SteelSeries Arctis Nova 5やTurtle Beach Stealth Proなどの2.4GHz接続ヘッドセットが最適です。 これらはUSBドングルで簡単に接続でき、PS5の3Dオーディオにも完全対応。 Bluetooth併用可能なモデルなら、ゲーム外でも活用できます。
有線ヘッドホン
DualSenseコントローラーの3.5mmジャックを使用すれば、Sony WH-1000XM5などの高品質ヘッドホンを有線接続可能。 遅延ゼロで、マイクも動作する場合があります。
まとめ:PS5でBluetoothヘッドホンを賢く使う
PS5でBluetoothヘッドホン を使用するには、USB BluetoothアダプターまたはテレビのBluetooth機能が必須です。 アダプターを使用する場合、Avantree DG80やCreative BT-W3などの低遅延モデルを選び、ペアリングとPS5のオーディオ設定を適切に行えば、手持ちのヘッドホンで高品質なゲーム体験が可能です。 テレビ経由の接続はコストを抑えられますが、遅延リスクに注意が必要です。
予算や用途に応じて、Logitech G PRO X 2やAudeze MaxwellなどのBluetooth対応ヘッドセット、またはPULSE 3Dのような公式ヘッドセットも検討しましょう。 3Dオーディオ設定を最適化し、ゲームジャンルに合わせたイコライザー調整を行うことで、PS5の没入感を最大限に引き出せます。
このガイドを参考に、あなたのPS5で理想のオーディオ環境を構築し、ゲームの世界に深く浸ってみてください!